TAMINIF’s blog

大阪在住のプロダクトマネージャー。元エンジニア(Web/iOS)

「ゆとりの法則」読んだ

ブログには書いていないけど、以前にピープルウェアを読んでいて、ピープルウェアとセットだと認識していたので読んでみた。

ピープルウェアが組織の中で仕事をするための本だったのに対して、こちらはプロジェクトを進める手法が書かれた本である
なぜゆとりを持つことが必要なのかと、ゆとりを持たないことで何が起きるのかが書かれている、いわば注意喚起のような本でいくつか印象に残ったところをあげる

本当に早く仕事をするには

この章では仕事を早く終わらせるための間違った方法を解説する

ゾンビ

仕事に執着しやがて燃え尽きてしまった社員のことをゾンビと総称し、ストレスのかかるプロジェクトを見渡すとゾンビになっている人が多いことに気がつく。
ゾンビとなった社員は辞めることが多いが、組織に残り続ける人もいて、そういう人が増えることでプロジェクトは停滞し続けてしまう。
この現象は心当たりがあるがこの見方をしたことがなく、ゆとりを表すバロメーターになるものだと思った。

人員過剰のパラドックス

人手が足りないことはチームのストレスの原因になるが、かといって間に合わない納期に人員を追加して解決する問題でないが、往往にして管理者はそのことを理解しない。
さらに管理者は人手を増やしたことで達成できる挑戦状を叩きつけ、結果恐怖の文化が生まれる。

契約にもゆとりを持つ

ゆとりを持つことは問題が発生した時に対応できる余裕を持つことである。そしてそれはプロジェクトだけではなく、契約の場合も同様である。
二つの契約を並べた時、一方が安ければゆとりを削っている可能性があり、トラブルによって訴訟に発展する可能性がある。自分が売り手の時は容易に想像できるリスクを盛り込んでおく。

誤った目標管理

目標管理は二つの面で誤りである。

  • 目標管理はある状態が続くことを前提にしているが、物事は常に変化する。
  • 目標の指標は必ず単純化されたものであり、その値を最大値に近づけようとして結果的に企業の貢献度が下がることになる。(ディスファンクション)

変化と成長

全く変化できない人は成長もできない。これは自明だが、変化できないのに成長を求める組織を多く見る。この章では組織の変化と成長を実現するというテーマに目を向ける

リーダーシップとフォロワーシップ

意志を生み出すのがリーダーの仕事である。
リーダーは一部のエリートが担うものであり、それ以外の人はリーダーについていくべきというのは、リーダーシップではなくフォロワーシップを植えつけているだけである。
リーダーシップは全員の任務であり、名案を思いついた人に従うのも任務である。リーダーシップは交代制で担うものである。

変化は中間管理層から

変化がトップから起きるというのは間違いである。重要な変化には再生が伴う。企業の再生のためにはトップにはわからないような日常業務との深い関わりが必要である。
変化が底辺から起きるのも間違いである。底辺の人々は再生するための願望もなければ、再生計画を遂行するための力もない。

変化は中間管理層から起きるのである。
変化には再生のためのゆとりと、有意義な変化を計画し実現するための協力が必要である。

まとめ

リーダーシップとフォロワーシップの話が一番印象に残った。自分がリーダーシップだと思ってやっていたことはフォロワーシップだったかもしれないし、リーダーシップはチーム全員が持てるようフォローするのもリーダーの仕事だと認識した。
ゆとりを持つことを、自分の手の届く範囲で周りに伝染させていければと思える内容だったので書評を書いたとともに実践していく。